Notes

企画・制作ノート 今野雅夫(企画・脚本・監督)

普段は腰も低く、歌謡ショーの司会進行なども丁寧にこなす主演の内藤龍之介くんが、ワークショップで見せるちょっとオーバーなサイコパス風なお芝居のギャップが、本作の起点になりました。

また、若手俳優たちの青春群像劇の拙作『日々。』のために内藤くんが語ってくれた、虐待ではないものの厳しく叩かれ躾けられたエピソードは大きく脚色され、祖父母を逆恨みした話などは、そのまま劇中で使われています。

加えて、数年前に亡くなった我が母が、施設に入るまでの数年間、要介護で自宅にいたことの影響もあります。僕のほうは幸い、返しきれない恩ばかりなので、母の在宅中はせっせと介護に励みました。でも、もしこれが虐待でも受けていようものなら...と考え、脚本を書きました。

そして当初、あかり役は別のかたに演じて戴くはずでしたが、リハーサルでの絡みの描写や、撮影日が迫る中、衣装の下着の相談など、直接問い合わせたのが相当気持ち悪かったようで、撮影2日前に降板されてしまいました。そんな状況で、あかり役を引き受けて戴き、様々な表情を観せてくれた横山葵子さんにはとても感謝しています。

さらに、普段は至って温厚でニコニコ笑っていらっしゃる永井寛孝さんには、いつになく激しいシーンを演じ、2度も被って戴くなど、ご迷惑をお掛けしました。